Villageナビシニアの住まいコラム
これからの暮らし

シニアの服薬管理|飲み忘れ・重複を薬局と確認

薬の飲み忘れや二重服用が気になるときは、本人の記憶だけに頼らず「今日飲んだか分かる仕組み」と「使っている薬を一か所で確認できる記録」を作ります。複数の病院から薬が出ている場合は、お薬手帳と実物を薬局へ持参し、市販薬やサプリメントも伝えます。薬ごとに飲み忘れた際の対応は違うため、自己判断で二回分をまとめて飲まず、薬剤師や処方した医師へ確認することが大切です。

まず一週間、迷った場面を記録する

服薬管理を始めるときは、薬の数だけを見るのではなく、どの場面で迷うかを確かめます。朝食後の薬を飲んだか思い出せない、昼の外出で持ち忘れる、眠る前の薬が夕食後の薬と混ざるなど、一週間だけ時刻と出来事をメモします。

厚生労働省は、ポリファーマシーを単に薬が多い状態とはせず、多剤服用に関連して副作用、服薬の誤り、正しく続けにくい問題が起きる状態としています。薬が多いから自分で減らすのではなく、困っている事実を医師や薬剤師へ伝える材料にします。

一覧には、処方薬の名前、回数、飲む時刻、処方した病院を写します。目薬、塗り薬、貼り薬、市販の風邪薬、健康食品やサプリメントも別枠に書きます。薬の袋や説明書を捨てる前に、変更日も記録すると確認が楽です。

飲んだことが見える仕組みを一つ選ぶ

方法は、本人が無理なく毎日続けられることが第一です。一週間分の薬ケース、日付を書いた袋、服用後に印を付ける紙、スマートフォンの通知などから一つ選びます。いくつも同時に始めると、どの記録が正しいか分からなくなるためです。

例えば朝夕の薬がある人なら、冷蔵庫に朝・夕の欄がある表を貼り、飲んだ本人が丸を付けます。家族は電話で「飲んだ?」と聞くだけでなく、丸が付いているかを一緒に確認します。薬ケースへ移してよい薬か、湿気や光への注意が必要かは薬剤師に聞いてください。

外出用に薬を分ける場合も、元の袋との対応が分かるようにします。薬の名前が分からない状態で混ぜないことが重要です。住まいを選ぶ際は、食卓の近くなど毎日目に入り、子どもや来客の手が届きにくい管理場所を決められるかも確認します。

お薬手帳は一冊にまとめて毎回見せる

厚生労働省の資料では、お薬手帳を医師や薬剤師へ提示することが、薬の相互作用や重複投与を防ぐことにつながると示されています。病院ごとに手帳を分けず、原則として一冊へまとめます。電子版を使う場合も、複数の記録が一緒に見られるか確認します。

受診時は、お薬手帳だけでなく、手元に余った薬、市販薬の箱、サプリメントの写真、飲みにくかった記録を持参します。「朝は食欲がなく飲めない」「錠剤を落としやすい」「眠気やふらつきがあった」など、生活の変化も伝えます。

かかりつけ薬剤師には、使っている薬を継続して把握し、飲み合わせの確認、処方医との連携、余った薬の整理を支援する役割があります。複数の薬局を利用している人も、相談の中心となる薬局を決められるか尋ねてみましょう。

飲み忘れ・飲み間違いは自己判断で埋め合わせない

飲み忘れに気付いた後の対応は、薬の種類や次の服用時刻によって異なります。患者向け資料で「二回分を一度に飲まない」と案内される薬はありますが、すべての薬を同じ方法で扱えるわけではありません。薬袋や説明書を確認し、分からなければ薬局か処方した医療機関へ連絡します。

二重に飲んだかもしれない、別の薬を飲んだ、急なふらつきや強い眠気がある場合は、次の服用を自分で決めず、薬の名前、量、飲んだ可能性のある時刻を伝えて相談します。意識が悪い、呼吸が苦しいなど緊急性があるときは119番を利用します。

PMDAのくすり相談窓口は、薬の効能、飲み合わせ、使い方などの一般的な相談を受け付けています。ただし、個人の診断や治療は行わないため、自分の薬については、まずかかりつけの医師・薬局・薬剤師へ確認します。

家族は管理を取り上げず、確認方法を一緒に決める

家族が全部を管理すると、本人が変更を知らないままになることがあります。まず本人へ「朝と夕のどちらが迷いやすい?」「紙と薬ケースならどちらが使いやすい?」と聞き、本人が選べる形にします。

離れて暮らす家族なら、毎日の電話より、週に一度、お薬手帳と余った薬を一緒に確認する方法もあります。訪問看護や介護サービスを利用している場合は、誰がどこまで確認するかをケアマネジャーや支援者と共有します。

決め手は、飲んだ事実が見えることと、薬の情報が一つにつながることです。保留にするのは、薬の中止・減量・飲み忘れ後の対応です。そこは自己判断せず、次の確認先を薬剤師または処方した医師にします。

まとめ

シニアの服薬管理は、薬を減らすことではなく、飲んだ記録と薬の全体像を見えるようにすることから始めます。一週間の迷いを記録し、続けやすい方法を一つ選び、お薬手帳を一冊にまとめます。処方薬だけでなく市販薬やサプリメントも薬剤師へ伝え、飲み忘れや二重服用の対応は自己判断せず確認してください。

よくある確認事項

薬を飲み忘れたら、次に二回分を飲んでよいですか?

薬によって対応が違います。自己判断で二回分をまとめて飲まず、薬袋や説明書を確認し、分からなければ薬剤師または処方した医師へ連絡してください。

お薬手帳は病院ごとに分けた方がよいですか?

飲み合わせや重複を確認しやすくするため、原則として一冊にまとめ、受診と調剤のたびに提示します。電子版も記録が一つに見えるか確かめましょう。

市販薬やサプリメントも薬剤師へ伝えますか?

はい。処方薬との飲み合わせを確認するため、商品名や成分が分かる箱・写真を持参してください。

薬が多いので自分で減らしてもよいですか?

急な中止で病状へ影響する薬があります。余薬や困り事を医師・薬剤師へ伝え、変更は専門家と相談して決めてください。

参照情報

厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針 総論編の概要」確認日:2026-10-15
厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針」確認日:2026-10-15
厚生労働省「オンライン服薬指導(お薬手帳について)」確認日:2026-10-15
厚生労働省「患者の服薬状況等に係る情報提供書」確認日:2026-10-15
PMDA「患者・一般の方からのくすり・医療機器の相談窓口」確認日:2026-10-15

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